埼玉県さいたま市桜区|インサイト(ホンダ)の修理・点検・メンテナンス事例(IMA異常 その1 ハイブリッドシステム故障)

お世話になっております。

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国から認可を受けた認証工場のオートサービスコヤマ です。

 

「オートサービスコヤマでできる事」 の一つをご紹介いたします。

ハイブリッド車の整備 ハイブリッドシステム故障修理 です

ハイブリッド車整備に欠かせない低圧電気取扱特別教育受講済みです。

 

インスタでは事例に載らない動画等あげてます

 

その他整備動画などはここをクリックです

 

ハイブリッド車の整備事例です。

ハイブリッド車もいろいろな車種がありますが、今回はホンダ インサイト ストロングハイブリッドと呼ばれる部類の車種ですね。

症状は「IMAシステム警告点灯」です。

「IMAシステム」は「ハイブリッドシステム」の事と思っていただけるとイメージしやすいかと思います。

数日前に「警告灯が点いた」とご入庫です。

お客さまよりの問診と入庫時の状況です。

{車両メモ

ホンダ インサイト ZE2 走行距離10万km超え

「IMAシステム」警告灯点灯したが、今は消えている。 入庫時は警告灯は点いていなかった。

自走でのご入庫。}

 

早速 外部診断機を用いて何か異常なエラーコードが出ていないかチェックさせていただきました。

 

エラーコードは 2つ 確認できました。

・IMAバッテリー劣化異常

・高電圧回路短絡

です。

 

基本的な手順は、このエラーにそって故障診断を進めていき、不具合を起こしている個所を点検します。

 

点検の結果異常があれば修理、交換する。という流れです。

 

私はこのエラーコードを見てとても違和感を感じました。

 

「IMAバッテリ劣化異常」は走行距離や年式からしても、「なくはない故障かな」と思いましたが、

 

 

「高電圧回路短絡」がどうも引っかかります。

 

 

短絡てショートですよね。

(ショートとは「配線が途中で切れてほかの配線とくっついちゃった。」「電気が流れてはいけないところに流れてしまっている」等の事、家庭では火災などの原因にもなる場合もあります)

 

ハイブリッドのように電圧が150V以上ある回路が短絡てコワイですよね。

 

原因としてはいろいろ考えられます。

 

例えば、事故などで車体が損傷しハイブリッド高圧線が切れたりショートした事例は聞いたことがあります。

 

ですが、車体はキレイで事故した様子もありません。

 

 

通常の補器バッテリの場合セル内が内部ショートして電圧が極端に下がってしまうことがありますが、それを高電圧回路短絡というエラーコードで出すのでしょうか?

 

メーカーや使用するテスターによってエラーコードの名称が違うこともあるのでそういう表記もあるのかな?なんて思っていました。
 

外部診断機の数値では回路短絡のような個所は確認できませんでした。

 

入庫時の車両数値1
入庫時の車両数値2

大きく外れた数値は見受けられませんでした。

・入庫時に警告灯が点いていなかったこと

・自走して入庫したこと

などを考えると

 

今現在は短絡していないものと推測できます。

 

ですが、そのまま放っておいてよい内容のエラーではないので出来る限り説明のつくところまで追いかけなくてはならないなと考えていました。

この時点でよく調べた結果「高電圧回路短絡」はバッテリ内部ではなくバッテリーから出た後の回路とわかりましたので、尚更放っておけなくなりました。

 

ですがこの時点では皆目見当もつかずにいたので

短絡という言葉を頭の片隅におきながら点検を進めていきます。

 

まずはバッテリー部分を点検してみます。

 

ハイブリッドバッテリーはトランクルームの下部に収納されていますので、トランクルームの床を分解して点検していきます。

 

トランクルームを開けて 床下のハイブリッドバッテリーが見えるまでばらしていきます。

 

 

ハイブリッドバッテリーまでたどり着きました。

 

おや??

床が濡れています。

 

見えている白いボディー床部分が濡れています。この床面より

見えないハイブリッドバッテリーの床下部はもっと床面が低くなっています。

 

車を前後に揺すると水がちゃぷちゃぷと動いています。

 

ハイブリッドバッテリの付近の水は注意が必要です。強アルカリ性の液体の場合もありますので不用意に触らないようにしてください。

 

害のある液体ではない事を確認し
床に溜まった水を掬っていきました。

すぐにコレだけの水が掬えました。

掬えた分でこんなにあります。実際にはもっと多くの水がトランク床下に溜まっていました。

数位は数センチ 5センチほどはあったかと思います。

 

 

この車、水没車ではないでしょうか?

 

水没車ならいろいろ合点がつくので話は早いです。

 

早速お客様に連絡してお車の使用状況、故障するまでの経緯をうかがってみました。

 

お客様はこうおっしゃいました。

 

「水没なんてしていない。したこともないですよ」

 

 

????こんなに水が溜まっているのに水没していない???

 

しかも 雨の日にトランクを開けっ放しにしてしまったり、トランクルームで水をこぼしたこともないそうです。

 

???ではなぜ水が溜まっているのでしょう???

 

 

ここで一つ仕事が増えたことになります。

 

一つ目は「IMAシステム異常の原因を探す」
二つ目は「水没していないのに水が溜まる原因を探す」

ことです。

 

先にも書きましたように、水濡れが原因でIMAシステム異常になることは十分に考えられますので、まずはそちらから片付けていこうかと思います。

 

ハイブリッドバッテリーを点検するために車体から取り外していきます。

 

 

 

メインスイッチをOFFにして
絶縁工具を使用して

ブレーカーのようなスイッチをOFFにして電気を遮断して進めます。

まだこの時点では早いですがここからは絶縁工具を使用して進めていきます。

ハイブリッドバッテリー
車外へ

かなり重たい部品ですね、一人で下すことは困難です。

 

無事に車外へ取り出すことが出来たので、点検していきます。

 

ハイブリッドバッテリーは水濡れにとても弱いパーツです。

ですので、水没などのリスクを考えると出来るだけ高い位置に取り付けた方がいいのですが、取付位置はどうしても床下になってしまいます。

少しでも水濡れのリスクを減らすためなのか、この車のバッテリーはバスタブのような黒いトレイに収納されていました。

このバスタブの縁より高い位置に水が来なければ水は侵入せずにバッテリーは水から守られるようになっているようです。

縁の高さは20センチほどはありますでしょうか。

 

先ほど掬った水は5センチ程度の水位でしたが、このバスタブの中に水が入った??

走行時の前後左右に揺れたことで水が揺られて縁を越えて水が入った??

縁には外側に返しがあるので、なかなか考えにくいです。

 

バスタブよりバッテリを外して中を点検します。

 

画像掲載数に限りがあるようですので

「IMA異常 その2」に続きます。

 

 

「IMA異常その1」リンク←クリックで読めますからの続きです。

「IMA異常その2」リンク←クリックで読めますからの続きです。

「IMA異常その3」リンク←クリックで読めますからの続きです。