さいたま市桜区の 修理 板金 鈑金 整備 メンテナンス ペイント
国から認可を受けた認証工場のオートサービスコヤマ カーコンビニ倶楽部ASコヤマです。
「オートサービスコヤマでできる事」 や
「日々の仕事」をマイペースでアップしていきたいと思います。
少しでも当店の事を知っていただけたら幸いです。
今回のお仕事はエアコン系の修理です
「車のエアコンが効かない原因」
「車のエアコンを直す方法」
「車のエアコンのメンテナンス方法」
いろいろありますが
今日のお題は「エアコンのダイヤルが回らない」です。
その前にこんな修理もやってますよなショート動画もあります
さて本題に戻ります
お車はダイハツムーブです
少し年数の経ったお車ですがまだまだ現役です。
症状としては
「エアコンの吹き出し口選択ダイヤルが回らなくなる」
です
「回らなくなる」という書き方が正解かと思うのですが、普段はグルグル回るんです。
でもある一定の条件になるとダイヤルが回らなくなってしまうんです
不思議ですよね
もう少し掘り下げます
上の画像をご覧ください。
回らなくなるのは、一番左の少し大きめのダイヤルです
今、顔と足から風が出るところが選択されてます。
先程の「ある条件」で回らなくなるといいましたが
その「ある条件」とは
「風量をMAXにした時」 なんです。
それ以外の時はダイヤルは普通に回りますし、当然吹き出し口も指示の通りに出ます。まさに快適そのもののエアコンなんです。。。
が、「風量をMAX」 にするとブオオオオーと風が勢いよく出ます
その途端にダイヤルはガチガチに固くなって回らなくなります。吹き出し口は固定されもう変更できません。とても不便です。
ですが風量をMAXから下げると元通りダイヤルは回るようになります。
じゃ「風量MAXにしなければいい」のでは?とお思いの方もいらっしゃると思います。
そんな解決方法もありだと思います。
一応原因を探ってから修理するかどうかの判断をしていただくことになりました。
原因の探求はまず頭の中であたりをつけてから作業していきます。
まずはダイヤルの状態の確認です。
ダイヤルの変形や破損、取り付け状態等を点検します。
異常は無いようです。
どうやらダイヤルの先の吹き出し通路の機構部分に原因がありそうです。
ただ、エアコンの吹き出し通路の機構部分を点検するのは容易ではありません。ダッシュボード等の取り外しが必要になってきますので点検費用が高額になってしまいます。
そこで、こんな道具を使って点検してみます。
赤丸で囲んだ長い棒状のもの。
これは先端がカメラになっていてその映像をスマホに映し出す道具です。
内視鏡のような道具ですね。(欲しくて欲しくて自腹で購入しました)
これで、エアコンのダクトから内部の機構部分の作動を目視で点検してみます。
目視で点検できるのはとても大きな手掛かりになりますので有効な点検方法だと思います。
ダクトからカメラを挿入していきます。
ここからはスマホの画像を頼りにダクト内を進んでいきます。
まるで小人になって洞窟探検をしている気分になります。
ある程度進んだら、エアコンの吹き出し口選択機構部(この機構をダイヤルで操作している)が見えてきました。
ダイヤルが回らなくなるのは
この機構部の動作に何らかの異常があると考えられます。
発症条件のおさらいです
・通常時は正常だが、風量MAXにしたとたんダイヤルが回らなくなる
ですね。
まずは通常時に機構部の動作を点検。
バッチリスムーズに動作しています。
なんの異常も確認できません。
さて次は「風量MAX」にして点検です。
なにか変化はあるのでしょうか?
では「風量MAX!!」
ブオオオオオオオオオオオオオ 勢いよく風がではじめました。
はい。ダイヤルが回らなくなりました。
当然に機構も動かず。
最初はほんとに解りませんでした(あえて解の字にしました)
風量を下げるとダイヤル回る
風量MAXにすると回らない
風量を下げるとダイヤル回る
風量MAXにすると回らない
風量を下げるとダイヤル回る
風量MAXにすると回らない・・・
あ・・・これだ!
- ダイヤルが回る正常な状態
- 回らなくなる異常な状態
よーく確認すると・・・・
わかりますかね、ほんの小さな違いなんです。
画像に印付けますね。
- 正常時
- 異常時
上の画像の赤丸部分をご覧ください。
一枚目と二枚目のスキマの広さが違うのがお分かりでしょうか?
二枚目白丸の方が広くなってます。
この部分は吹き出し口の通路内側に貼ってある樹脂膜(ビニールのような膜)なんです。その膜が風量MAXにすると風に煽られて通路内壁より浮き上がってしまうようです。
浮き上がった膜が機構の動作の妨げにになり(実際には作動部に引っかかり)ダイヤルが回らなくなっていたようです。
風量を下げると、膨れた膜が元の位置まで戻るので動作の妨げにならず正常に戻るようです。
これで、整合性が取れました。
原因はこの樹脂膜ですね。
通常、この樹脂膜は風量MAXにしたところでこんな浮き上がったりするようなことはない部品です。ですが経年劣化でしょうか、樹脂膜自体の強度下がってしまい、内壁からの剥離がすすんでしまったのでしょう。
こちらの原因はわかりましたが、今回は修理はしませんでした。
ある程度ユーザー様の対応で不具合を解消できる症状であることや
修理費用等を踏まえての対応です。
何が何でも
修理や交換、整備するのがすべてではないと思います。
ユーザー様がお車に寄り添うという対処法も全然ありだと思います。
ありがとうございました。