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動画有 NV350 エンジン異音 故障探求ミス

さいたま市桜区の 修理 板金 鈑金 整備 メンテナンス ペイント

国から認可を受けた認証工場のオートサービスコヤマ カーコンビニ倶楽部ASコヤマです。

 

「オートサービスコヤマでできる事」 や

「日々の仕事」をマイペースでアップしていきたいと思います。

少しでも当店の事を知っていただけたら幸いです。

今回は

 

少し変わったエンジン異音の修理です

 

修理です。 

 

 

その前に別の作業動画のご紹介もさせてください

ヘッドライトをキレイにしたりする動画

こんな動画をマイペースで上げてますこちらもよろしくお願いします

 

では、早速お車を診ていきますよ

お車は 日産のNV350 キャラバン

ガソリン車です。

走行は10万KMオーバーの大ベテランです。

 

修理内容は「エンジンの異音」です。

 

問診の症状は・・・

音はギーーーージャリジャリジャリジャリと金属が擦れるような音

時々発生する

エンジン始動直後の数秒間のみ発生しその後は全く音がしなくなる。

エンジンのチェックランプ灯は点いておらず、走行に影響はない

エンジンの暖気した後の始動直後に発生することが多い

 

タイトルにあった「少し変わった」というのは、

・エンジン始動直後の数秒間のみ発生しその後は全く音がしなくなる。

という部分です。

 

通常、エンジンの異音は回転部分が原因の場合がほとんどです。その場合エンジンがかかっている間はずっと回転しているので異音が出続けるパターンがほとんどです。

 

ですが今回は「エンジン始動直後のみの異音」です。

しかも、一度異音が治まってしまうと、もう異音はしなくなるそうです。

 

故障修理の手順として「症状の再現」があります。

再現をしてその故障を確認して「故障探求」をする。

 

こんかいの症状は「エンジンの始動直後の数秒間」で故障探求していくことになります。

 

しかも「時々発生する」ので症状の再現頻度も低く

「チェックランプは点いていない」のでOBD2からのエラー情報もありませんのでなかなか条件はよろしくないですね。

 

案の定、お預かりからしばらくの間は症状発症せず、全く正常な状態でした。

 

問診からある程度の目当てをたてていた故障個所は「セルモーター」

です。

・エンジン始動直後から連続してジャリジャリ金属音

・音が一度治まると以後は異音がしない

という点からセルモーターのオーバーランと予想していました。

 

チャンスの少ない症状再現なので、いつ異音が出てもすぐに対応できるようにしておきました。

リフトアップした状態でアンダーカバー全部外しておいて異音が発生したらすぐに潜り込んでセルモーターに聴診器あてて点検!

音が治まるまでの数秒間で診断しなければならないので、気が抜けません。

こういう時に限って何度エンジンをかけても異音は出ないものです。

修理あるあるですね。

 

その後も他車の修理をしながら幾度も再現チャレンジをしていました。

 

音、出ました。

 

エンジン始動直後にカリカリカリカリ・・聞きなれない音のその後

ジャリジャリジャリジャリと大きな音がしました。

 

すぐに車の下に潜り込みセルモーターに聴診器をあ  

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

間に合いませんでした。音は止みいつもの静かなエンジン音になりました。

 

次は聴診器を先にセルモーターにくっつけておきセルモーター到達までのスピードアップを図ります。

次は絶対に間に合うはずっ!

 

次のチャンスがきました。

 

ジャリジャリジャリジャリ

 

キタ!ダッシュでセルモーターに聴診器を・・間に合った!!

 

異音の発生元はセルモーター!!! 

 

 

 じゃありませんでした。

 

異音発生時、セルモーターはとても静かでした。

 

原因は別のところにあるようです。

こんな時少しヘコミます

 

再チャレンジです。

 

結果、この部品に不具合がある事がわかりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この部品です。

 

オルタネーターでした。

正確にはオルタネーターの先についている

ワンウェイクラッチ の不良です。

 

普段は静かなんですが何かの拍子に異音が発生してしまうようです。

ワンウェイクラッチの点検の様子の動画ですここクリックで見れます

手での診断だと異音発生まではいきませんが劣化具合は確認出来ました。

新旧の部品です。

 

今回は現車の走行距離も考慮してオルタネータ丸ごと交換にて対応しました。

 

ガソリン車はエンジン下から作業できます。

部品を取り付けてエンジン始動。

 

何度点検してもあの異音は出ませんでした。

 

ありがとうございました。

 

 

あとがき

今までもワンウェイクラッチの異音修理は何度もさせていただきましたが、今回のような発症の仕方は初めてでした。いい経験になりました。

整備、修理って奥が深いですねぇ、まだまだ修行は続きそうです。